sound village




目の前の状況を、
何ともいえない表情で見守る。


「いやあ✨音村も中々ですが、
アナタの様なステキな方が
ご友人だとは…
是非、連絡先の交換を…」

「あら、イヤだわ(笑)
あたし、これでも人妻よ✨」

何を企んでいるのか、
真月さんを速攻で
口説きにかかるテルテルと
相変わらず、ノリのいい
真月さんの会話に…

「…部長…なんで、コイツ
連れてきたんすか…」

杖替わりとなってくれている
部長様に、完全なる人選ミスな
理由を問いただせば。

「…ああ…何ていうか…
公式戦の結果でな…」

「…はい?」

「バスケと陸上、なかなか
いい試合だったぞ。

斐川のジャンプ…あれは
彫刻かと思うほど、
美しかった。」

そう言いながら、社用車の
後部座席の扉を開け、
視線で座る様、部長は促す。


何が、あったのだろうか…?

「神島と柏木も、接戦だった。

…アイツらを見てたら…

お前と佐藤を突き動かした
何かを、見ちまった気がした。」


“何ていうのか…選手として
格が違うと思ったよ。

時代も体格も違うけどな。
それをさし置いても…

俺も、若い頃、バスケを
してたんだがな。同じスポーツ
してたなんて、思えなかった。”


助手席に乗り込んだ部長が
呟いた結びの言葉に、
やっぱり、彼らはスゴイ子達
だったんだったて事を、
改めて痛感した。
















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