sound village
……容易に想像が、つくじゃないか。
俺に事実確認をした、音村係長から
連絡があったに相違ないなんて事は。
だから、そうやって
いつもの様に、笑えるのだろう?
佐藤係長は。
あんな時間に
ただの同僚が
連絡なんて取り合ったりしない。
いくらーーーー
この課を牽引している相棒だからって
ずっと一緒にやってきたからって。
常識外れだと思うのだが。
曖昧な関係を装いながら
傷つくことを恐れ、職場での関係を
保持することを選んでいるなんて…
不自然じゃないか。
…そんな感情…
それとも、年齢による
考え方なのだろうか?
今の、俺には理解し得ない様な
感情と駆け引きがあるのだろうか。
“柏木、行くぞ。準備できたか?
神島、斐川、後頼むよ。
16:00には戻るよ。”
いつもどおり…昨日の音村係長の話が
嘘なんじゃないかと思うほど
変わりない様子のその人を
生返事を以って見送った。