sound village
もはや、思考もバラバラで
系統立てて考えられる
状態ではなくて。
「まあ、いいや。
それが、素顔の柏木くん
なんでしょ。」
そんな俺の表情を眺め、
ククッと苦笑するレンちゃんに。
「…誰か知り合いに
こういうタイプいる訳?
それとも…ガキくさいて
言いたいの?」
ムッとして咬みつけば。
「私から見れば、あんた達なんて
ヒヨコ以外の何者でもないよ。
カッコつけてんな。
そんな事、重々承知なんだよ。」
フンと、鼻で笑われ、
カッとする。
テーブルの角を挟んで
椅子に腰掛けた彼女のアゴを
指先で固定して動きを封じる。
…何も言わなくても
その目的なんてわかる体勢
「…1号…この角度、
腰にくるからやめて。
…つうか、これ以上
何かしたら、レンズの上から
デコピン入れるからね。」
シラけた眼差しが
遠慮なくぶつけられる。
…俺は、確実に
レンちゃんにとって
射程圏外らしい。