sound village
  


「悪い。遅なった。」

「お前、動いて大丈夫なのか?」


膝にサポータを巻いて、ゆっくり
歩いてきた柏木は、ポケットから
モソモソと紙切れを出し、
俺のカノジョにそれを手渡す。


「…これで、リハビリメニュー
組めたりする?

これだけ壊しておいて
一ヶ月で治したいとはゆわんけど…

ムコウ行ってる間に、バスケできる様に
したいんやけど…」


「診断書?」


カノジョが紙面に視線を走らせる。


「…いいわよ。
メニュー組んであげる。

自分でも分かってると思うけど…

完治は無理だけど、ここ最近位には、
3ヶ月もあれば、柏木さん次第で
戻せると思う。期待していて。」


そう言って、笑みを浮かべる
カノジョをみて背筋が凍る。

…絶対ハードだ…

鬼みてぇな、メニュー突きつける
つもりだな…アレ…


「マジで?!サンキュー」


…なんて、野郎は喜んでいるけど…


「「…柏木…ご愁傷様。」」


俺と斐川の声が見事にハモった…。




  
< 419 / 625 >

この作品をシェア

pagetop