sound village


私が、今すぐにでも
泣き出しそうな事なんて。


だから、


「送って最後じゃねぇぞ。

そのあとは、アイツらを
来年再び迎えるまでが
俺らの仕事なんだぞ。

遠足は、家に帰るまで
気をぬくなって
先生に言われただろ。」


…なんて、気が抜ける様な事を
言って、私の気を逸らして
くれるんだ。



「本当に、テルテルは…」



“いいオトコ”…その言葉は
飲み込む。


「惚れ直した?」


ウシシと笑う横顔に
毒づいてやる。


「養育費貧乏に
恋などするものか。
愚か者。」


「…ひでぇオンナ。

これだからさぁ…
打算的な女の子は(笑)

あ。俺のハンティングライフに
関わるんだから、ばらすなよ。」


コイツが、バツイチである所を
知るのは、我が社でも
数人程度だろう。


「心得ているのだよ。…ただし、

…面倒くさい事に巻き込まれたら、
容赦なくゲロしてやる。」


「うげっ…」


学生結婚で生まれた
兄妹だから、そろそろコイツの
養育費納入生活は終わるんじゃ
ないだろうか?


きっと、テルテルもそろそろ
再婚でも考えているのだろう。





   






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