sound village
2人の後ろ姿が通路の角に
消えて、漸く、のそのそと
自分も動き出す。
ーーー返事が…ほしい…
こんな、スッキリしない
気持ちのまま…
アメリカに行きたくない。
それが、例え、俺が望まない
答えであっても。
…ちゃんと、答えがほしい。
「ウジウジしてんのな。」
「!!」
思いふける自分の隣から
突如かけられた声に
ビクッとする。
「…なんだ。神島か。」
「クソガキ!!腹立つ(怒)」
狼狽えた姿を見られた事が
どうにも気まずい。
「お前のその性格…まあ、いい。
斐川、何かを思い残して、
ムコウへ行くなよ。
また、コッチが気になって
不完全燃焼になるとか、
絶対ダメだからな。
せっかく、係長達が作ってくれた
チャンスなんだ。ほんの少しも
無駄にすんなよ。」
…等と、ワザワザ
忠告するなんて…
「わかっている。」
神島のくせにムカつく。