sound village
  



待ち合わせ場所に着いたのは
約束の15分前―――――



まだ、誰も来てないらしい。



だいぶ、早めに時間設定
してたからな。


まあ、当然やろ…


そう思っていたら


「柏木君が一番ノリかい?」



聞きなれた声が俺を呼ぶ。


振り向けば、ちょっと
日本では見かけないような、
キレイなロイヤルブルーの
コートを着た
レンちゃんが居て。


昨日、あれだけ泣いていたと
思えないような
スッキリした目元

昨日、飲み明かしたと
思え無い様な
いつもどおりの佇まい


「そうみたい…ですね。」


俺が、あの場所で
見ていた事など
知らないはずなのに、
俺のほうが
戸惑ってしまう――――



『やっぱり、俺らの中に
特別な誰かがいるん?』…って
聞いてしまいたくなる。


「なによ?緊張してるの?
珍しく言葉数が少ないじゃ
ないか。ほれ、
これでもお食べ。」


そういってコートの
ポケットから
イチゴ模様の包装された
キャンディを取り出し
掌に載せてくれた。


「あ。懐かしい。これ。」


「お守り?なんだって。
真月さんがゆってた。」


老舗メーカー製の
市販のキャンディに
そんな不思議な力が
あるとは
到底思えないが…



 





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