sound village
  



「レンちゃん…」


もうすぐ皆が来るやろう。
“今は言うな”心の奥底で
その言葉を繰り返している。

気を抜けば、自分の気持ちを
ぶつけてしまいそうで……


でも…


「レンちゃん」


「ん?どした?」


俺も、このままじゃ
ムコウへ行かれへん。



だから、昨晩 
考えたんや――――



「レンちゃん、

俺のこと、好き?」



俺を見つめる瞳が揺れて
大きく見開いた。


…そう、くると思わんかった?


「多分、俺ら三人の事、
おんなじ様に好きやと
思うけど。」


レンちゃんは、
困ったように
クスッと笑った。


そして、一呼吸おいて


「うん。好き、大好き。」


そういって、すっごい
可愛い笑顔を向けてくれた。


相変わらずの殺傷力に
感情とか、理性とか完全に
ふっ飛ばしてくれる。


今なら…まだ誰もおらん。
今のうちに、
どうにかしてしまいたい。


そんな邪な思いと一緒に
思わず生唾を
飲みこんでしまって。


「ぅげっ…飴飲みこんだ。」

「何やってんのよ(笑)」



声をあげて笑われた。





  
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