sound village




「おっとむらぁ〜♪
元気?元気?」

そんなアウェイ感を
全く感じず、まさかの
社長室にまで入り浸る
この顔面…


「んあ?テルテルかぁ。
元気なんて…ねぇ〜よ。」


社長室だろうが何だろうが、
ガンガン荒らしに来て、
結果、コイツ狙いの
上品の皮を被った
猛獣をソワソワさせている。


社長室…そう、ここは
玉の輿狙いの猟場ーーーー


あ。話しが逸れた。


「何か動きでもあった?」

さすがのテルテルも
手ブラで此処に来る程
腑抜けてはいない。
…そう思い、問えば。


「ああ。詳しくは、後ほど。」


…なんて、意味深に答えるから。


そこから終業間際まで
デスクワークしていたのが
仇になって


「音村係長、今日は、
佐藤係長とお約束されて
いますよね?」

面倒な質問が飛ぶ。

「は?」

テルテルと約束してようが
していまがまいが、貴様に
掌握される覚えはない。

ええっと…誰だったかしら
…この子…名前が出て来ない。

仮に、コケシと
名付けておこう。

まさか、こんな事で
言葉を探しているとは
思わないのだろう。

主導権を握ったと
勘違いしたコケシは続ける。

「親睦会も兼ねて
ご一緒してもよろしくて?」


…と。







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