sound village
『あっ!リヒト、テメェ
こんなとこに居やがったか。
…って、あれ?何?
何かあった?』
ゲッ…テルテル!!
ややこしい時に、また、
ややこしいヤツが来た。
『ああ。テルヤ、
レンに挨拶に来たんだよ。
…っつうか、話があってね。
レンとキミに。』
超合理主義なリヒトが
話がある…ただ、それだけで
会いにくるなんて。
きっと、テルテルも同様に
感じたのだろう。
互いの視線が交わる。
『ここじゃあ、なんだから
親父の部屋で話そう。
さあ、行こう。』
そんな言葉と共に
私の腰をなでる様に
リヒトは腕を回しロックした。
逆らうなと言う事か。
癪にさわる。
腰をナデナデする手の甲に
浮き出る骨を、爪を立てて
鷲掴んでやる。
『痛っ!』
『気安く触るな。
このレン様に。』
ブサイクな面構えで
ケッ…っと、言い捨てる事も
忘れてはいけない。
『そーだ。そーだ。
音村を撫で回せる権利は
俺しか持っていないんだぞ。』
と、自慢気にぬかして
リヒトの手を叩き落とす
貴様…
テルテル、貴様にも
そんな権利を与えた
覚えはないのだ。