sound village



そこで、私とテルテルに
伝えられたのは


転籍の話だった。



どこかで誰か一人くらい
研修からこのまま
転籍するんじゃないかと…

覚悟していたけど…


…まさか…


『…ウソだろ?

柏木が…?』



わたしの左隣で

テルテルが、呟いた。




…なんで?


『それでさ。
提案があるんだけど。』

『待てよ。説明が
一方的すぎないか?リヒト。』


…なんで、柏木くん?


「おい。音村、聞いてんのか?」


心が着いていかないまま
進んでいく会話。


「あ、うん。」

「しっかりしろ。」


“気ぃ抜いてんじゃねえ。
コイツが抜け目ねぇの、
お前が一番知ってんだろ。”


テルテルの咎める様な
厳しい眼差しにも
取り乱したりしていない様
自分を取り繕うに
精一杯だったーーーー


“半年で、方向性を決めろ”


そう言ったのは、
私達の方なのにーーーー



覚悟が足りなかったのは


どこかで、皆が
戻って来るなんて


甘い見解を抱いていたのは


私の方だったのかも
しれないーーーー

























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