sound village

それぞれの選択 **side神島





ーーー今頃ーーー



聞いた頃だろうか?




柏木の転籍についてーーー




俺も、アイツは帰るって
無条件に思っていたから
初めて聞いた時には驚いた。



……でも ……


「年齢差、勤続年数、実績
何を取ったって、レンちゃんと
テルテルの上なんか
行かれへんやんけ!!

…でも…

それを越えたら
…俺にも勝ち目ある。

そして、それを見つけた。

リヒトは、その分野に
誰よりも秀でているんなら
ソイツから学ぶのが
一番早く追い越せる道やと
思っただけ。」



柏木から、転籍の意向を
聞かされた時、あれだけ
上司に世話になっておいて
何を思って!?と 、真意をとえば
返されたのは、そんな言葉で。



「何か?お前…それって
佐藤係長と張り合うつもりか?」


「大袈裟やな。俺は
レンちゃんに相応しい男に
なりたいだけ。」


照れも臆する事もなく
柏木は、そういったけど。


「えっ?それって…。
…つまり…」


隣で、無表情ながらも
瞳孔の開ききった
斐川を案じて
言葉を選ぶけど。


「俺は、本気で
レンちゃんを取りに行く。」


柏木は、ハッキリと
そう明言した。


「…それは、他の男には
係長を渡さないということか。」


やはり、無表情なまま
斐川が呟いた。















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