sound village
再集結**side神島/
ーーー帰国してソロソロ半年
俺と斐川は、希望通り
再び佐藤係長の元に
配属になった。
ここじゃあ、本年入社の
新卒採用者と、大差ない
俺たちを見る目は、
想像に相違なく厳しいが、
焦らずやっている。
それも、音村係長から
事前にこんな状況に
置かれる可能性について
聞かされており、焦らず
覚悟を決めて業務に励む様
忠告を受けていたから。
「神島、斐川、13時から
来週の経営会議の件で
打ち合わせするから。」
外出先から戻った係長が
パソコンを立ち上げながら
指示を出す。
「はい。準備するものは
ありますか?」
「いや、今日はいい。
部屋だけ押さえておいて。
部長含む合計4名。」
「俺が押さえてきます。」
俺たちの会話を聞いていた
斐川が総務部へ赴く。
「じゃあ神島は、急ぎで
これ文言チェック頼める?
問題なければ押印申請な。」
佐藤係長が電話の保留中に
書類の入ったファイルを
突き出してくる。
「あ、はい。」
この人は、音村係長が
絡まなければ、普通に
滅茶苦茶、仕事が出来る人だ。
最初にザッと、ファイルに
目を通して、書類の目的や
緊急性等全体像を判断する。
そうした方が、着地点が
見えやすく迷わないのだと
音村係長に、最初に
教えてもらった。