sound village

季節は廻る**sideレン




「珍しいじゃん。
音村 が飯誘いにくるとか。
つうか、さっきのは笑った。
相変わらずエグい奴(笑)」

向かい席陣取った
テルテルがニヤリと笑う。

「ああ。天の思召しじゃない?
同僚のピンチを救った
超人レン様に、近日中に
お酒を献上するのだ♪」

なんてことはない。

ああいうオンナは
個人的に大嫌いなのだ。

「任せたまえ!!怪人エックス
連日でも俺はOKだぞ。」

バカも休み休み言え。

「誰が怪人だよ。」

連日飲み歩くほど
暇ではないのだよ。

「そういえば、旬報発令って、
いつだって言ってたっけ?」

「明日。」

鯖の味噌煮定食を注文しながら
器用に尋ねるテルテルに、
同じく、出汁巻タマゴ御膳を
頼みながら返す。

「ああ。それで…か。」

クスクス笑うテルテルの瞳は
優しい。

「そう。ご挨拶を兼ねて。」

横で真剣にメニューを選ぶ
若者達が落ち着くのを待つ。
しかし、迷いすぎだろ(笑)

「ソロソロ注文しないと
休憩時間終わるぞぉ。」

見兼ねて促せば

「決まりました。」

慌てて注文をする
彼らの横顔の精悍さに
時間の経過を感じる。

何処と無くあどけなさの
残っていた彼らだったけど
随分と引き締まった。





















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