sound village
目を凝らして二人を見れば
身長差と男女の違いを除けば
よく似た顔立ちの双子で。
「もしかして…テルテルの!?」
昔、私たちが同期会なんぞ
イタシテいた頃に、何度か
会った事がある。
いまや、その同期も、数人を除けば
単なる敵になっちまったが…。
「思い出してくれましたか?
昔、同僚の方々と一緒に、遊園地
連れて行ってくれましたよね。」
うん。行ったね。彼らとの
月一回の面会日だったかな?
それと同期で遊ぼうって言ってた日が
重なって、一緒に行ったんだよ。
割と、仲良くなったんだよ。
「あの頃は、まだ小学生だったよね。
もう…大学生だったっけ?
二人とも大きくなったね。」
何だか、感無量ですよ。
「…で、こんな所でどうしたの?
もう就活してるの?」
スーツの理由を尋ねれば、
インターンシップだという。
それにしては、遅い時間じゃない?
今ここで出会うにしては。
「そうかぁ…、あ、もしかして
お父さんに会いに来たの?」
何かのついでに、テルテルに
会いたかったのだろうか?
そう思って尋ねれば。
「違います。私たちは
音村さんに会いたかったんです。
父とは、この間会いましたから
今日は用はありません。」
…おっふ。女の子というのは
なかなか父親に手厳しいな(笑)
離れていても、ちゃんと
テルテルは彼らの父親なんだなって
シミジミ感じている時だった。