sound village


『だいじょうぶぅ!神島くんと
斐川くんが通訳に来てくれたから
何とかなってる。』

ケラケラ笑っている様だが…
酔っ払いの完成やな(笑)

「まだ、飲み会続きそう?」

今更、タクシーを拾ってまで
行く気力もなく、場の温まり具合を
尋ねれば。

『あと一時間で終れそう。
神島くんが仕切ってる(笑)
俺も手伝わなくっちゃ。
…で、柏木君は来れそう?』

“ケイタァ~、ビールクッダサーイ”
“おっま、言えんじゃんよ!!”

電話の向こうで、うちの酔っ払いが
覚えたての日本語飲み物を
追加している声が聞こえ、
思わず苦笑する。

あの強引な指導具合…
神島やな(笑)

アイツは、昔から、訪問先の
国の言葉を覚える努力をしない人間を
嫌うし、それを案外許さない。

…多分、それ、通訳か?と
迷うほど、アメリカ人に
ガンガン日本語をねじ込んで
いるはずや。

奴らも戸惑ってることやろう。
ムコウでは、神島は、英語
堪能やったからなぁ。

…まあ、俺としては、
斐川の声が聞こえへんのが
大分、気になる…(笑)

まさか、アイツ、上司放っておいて
マイペースに飯食うてへんやろな…


 
 

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