sound village


「…あぁ…いてぇ…」

久々の筋肉痛を堪え、階段を下る。

アメリカからアイツ達が来てから、
あの時、向こうに行った奴らが
何処で情報を得たのか、ポロポロ
週末に集まってくるから、最近は、
毎週のようにバスケ三昧だった。

再来週には、柏木とリヒトを残して
全員向こうに帰るってんで、
体育館を借りて、相当激しい
ゲームをしたものだからこの有様だ。
リヒトは、もう少し柏木の様子を
見極めて向こうへ戻るらしい。

「…内線にしときゃあ、よかった。」

総務部へのお使いも堪える。

…ホントは内線で事足りるが
流石に土曜日出勤だし、
総務も留守番人員だけで
人手は少ないだろう…とか。

会議室オンライン予約は
平日のみ運用している
システムだし…とか。

自分に言い訳をして、
うろついているのは、単なる
俺の好奇心のなせる業だ。

「主任、会議室予約確認
いいっすか?」

カウンター越しに、
電話を終えて受話器をおいた
啓太を呼ぶ。

「あ。神島君。いらっしゃい♪」

この数年の業務整理で、不要と
判断されたパーテーションが
撤去され、直接、総務部が
見渡せるようになった。

「会議室予約?」
「それと過去資料の持ち出し。」

啓太は、会議室予約と
取締役達の出席要請をしながら
書庫の鍵を渡してくる。

「オッケー。先に書庫へ
行っててくれる。
直ぐに行くから。」

小さく手を振って
送り出す姿が…その辺の
女子より…より一層
乙女っぽい。












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