sound village
でも、まだや。
「なぁ…土曜日空いてる?
あかんかったら、日曜日。」
簡単に逃れられへんくらい
レンちゃんの中に
俺の存在を焼きつけたる。
「土曜日は、仕事。」
バレへんくらいに少しずつ
瞳の距離を近づける。
「ふーん。じゃあ日曜日は?」
殆ど光の届かない暗いこの場所でも
“日曜日”そのキーワードに
一瞬、レンちゃんの瞳が揺らぐのが
わかった。
「…その日は、用事ができた。」
瞼を閉じて、彼女はそういう。
そうか。彼女の置かれてる状況が
分かった。
でも、レンちゃん。
この距離で瞼を閉じるのは
誘ってると思われても
仕方ないで。
「そっか…。それは残念。」
あ。気づいた?
瞼を開いたレンちゃんの
瞳孔が開いたのがわかった。
それすらが分かる距離まで
縮まってたって訳。
「それじゃあ――――――――
とりあえず、今日はこれで許す。」
“いただきます。”
小声で囁いて、暴れられないように
少し体重をかけて、唇を重ねた。
その日まで、モヤモヤしてたら
いいねん。
右手と両足で、更に、彼女の動きを
制御して、キスを深めて行く。
俺が苦しかった分―――――
切なかった分――――――――
大好きで居続けた分―――――
不完全燃焼やった分―――――
俺のこと考えるので
いっぱい いっぱいに
なってしまえばいい。