sound village

ほんのりパパラッチ**side神島



あの衝撃のシーンを目撃して
早くも一週間経ち、今日は、
数年ぶりに有志集めての
バスケ三昧の一日。

どれだけ、この日を
待ちわびた事かっ!

ハッキリ言って、今週、
俺は仕事が疎かでした。
分かっていて見逃してくれた
係長達、ホント、すみません。

週明けからは、
当社費120%のフルパワーで
振り切ります!!

「しかし、まぁ…わかってはいたが…
すごい人数だな…」

参加予定者のリストを片手に
一日貨し切った体育館を見渡す。

「ふぅん。欠席者ゼロか(笑)」

俺の手からリストを抜き取り
斐川が表情を和らげる。

…コイツがこんな表情をするように
なるなんてな…人は変るもんだ。
…当然、想像もしなかったけど…

「今日は、柏木さんも、ゲームに
参加できるんですよね?アイツ等も
いるし、面白くなりそうっすね。」

斐川の元チームメートが柔軟体操を
しながら、会話へ加わってくる。

「え?…アイツ等って?」

思い当たる節が無く、聞き返せば。

「ほら、あれ、神島さんの舎弟。」

体育館の入口の方向を、顎でしゃくる。
そちらを見遣れば、柏木と米国人が
10人程度の集団でやってきた。

「…ああ、うちの研修生か。」

…本当に、柏木も
ゲームが出来る様になったんだな…
アイツと当たるのも何年ぶりだろ。



 









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