sound village
戦略は超ハデに**side柏木/


へぇ…斐川の趣味って
あーゆー感じの子やねんな。
気遣いできそうな子。

…などと感想を抱いている
時だった。


『おい、ヨウイチロウ!
さっき観覧席に、超好みの
女の子達が向かったんだ!

この中の誰かの知り合い?!
なぁ、聞いてくれよ!』

同僚の数名が、興奮気味に
盛んに異口同音を申し立てる。
…面倒くさい事いいだしたな。

『…神島に頼めよ。』

スポーツドリンクを飲みながら
対策を立てるため矛先を変える。

『言ったよ!!そうしたら
アイツ、“ここは日本だ。
日本語覚えてからな”って
鼻で笑いやがるんだっ。』

その言い草が神島らしくて笑える。

アイツは、武士気質やぞ。
頼む相手間違ってる。

『まあ…それで?どの子やねん…』

あんまり無碍にするのもなぁ…と
ちょっと関心を示したフリをすれば

『アレ!!』
『あそこ!!ほら、二人!!』
『双子かな?』

思い思いの同僚の台詞に、
斐川のカノジョから、奴らの
見遣る方向へ、斐川と共に
視線を移して、同時にドリンクを
噴出した。

「…あれは…」
「…嘘やろ…?」

!!!!!!

体育館に不釣合いな、
ハイヒールとダメージデニム…

…見た事ある…

あの…無駄に
フェロモンたっぷりな
双子コーデ…

いや、だって…

今日は用事あるからって…
見に来れんと思うって…
言うてたやん…


「…レンちゃん!?」



 




 



 
















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