sound village
 

一通りの大騒ぎの後
バスケの試合が始まり
あっという間に
真剣な空気に変わった。

目の前のコートでは、
柏木くんと斐川くんが
同じチーム、神島くんが
敵チームの試合。

皆、精悍な表情で格好いい。

相変わらず軽い身のこなしと
美しいシュートフォームに
見とれてしまう。

何だか私は、
心がココにあらずな
フワフワした状況で。

これから、本日2度目の
ライブに出演しなければ…と、
いうのに。

…私、ちゃんと
切り替えられるかしら。
ちょっと不安。

「さて、レンちゃん。時間よ。
そろそろ戻りましょうか。」

歌手の顔した真月さんが
スマホで時間を確認して
立ち上がった。

「よし。行きますか。」

私も気持ちを切り替えて
立ち上がり歩き出す。

後ろ髪をひかれつつ、
試合中のコートをみれば
柏木君がレイアップシュートを
決めた瞬間だった。

…見ほれちゃう…

まさか、自分が
彼の奥さんに
なるだなんて…

自分の元部下と
結婚するって
決めちゃうなんて…

ホント思わなかった…

ヨウイチロウ
また、あとでね。



 




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