sound village
「斐川くんも神島くんも、
2人共、心配かけてごめんね。」
体をおこしながら、係長がいう。
「レン…っと…音村さん
また、飯抜いたんだろう。」
腕を組み、係長に白い目を
向ける小僧に、斐川の冷たい
視線が注がれる。
やはり、それに気づかない
このチビは、
「約束通り、あれから三回だよ。
今日中に、真月にゆうからなっ!
怒られないと、直さないだろっ。」
ずいぶん、仲がいいんだな?!
・・・このボーズ
…ん?
ーーー『まつき』?
どこかで聞いたぞ。
……その単語
記憶をたどりながら
目線を上向ければ
同じような表情の斐川と
目が合う。
まつき…って
「…ビジュアル系の嫁…?」
「「ぶっ!!」」
斐川が呟き、係長とチビが
吹き出す。
「俺、そのビジュアル系の
10年来の弟子なんだけどね。
うおおっ!…盤若がいる…(泣)」
目の前のチビが俺と斐川の方を
振り返り見上げて
顔面をひきつらせた。