sound village
「透ぅ~ちぃーっす。」
早く依頼した件の回答を
聞きたくて、アポより少し早めに
透のオフィスに来てしまった。
「おお。座って待ってて。」
…ヤツも今日は、開店休業らしい
高そうな皮革の椅子に座り
今回のライブの選曲を
鼻唄まじりに歌いながら
アコギの弦を張り替えている。
「レン。そこの封筒に、
例の情報が入ってる。見てみな。」
「待ってました」
そこには、彼の知人のコンサルに
個人的に依頼した企業情報調査が
入っていた。
「今回は、アイツがわかる範囲で
調べただけだから、ギャラは
いらないってさ。」
お前に感銘受けたみたいだな。
そういって、透は追加レポートを
テーブルに置いた。
「これ…って。」
「敏腕弁護士にかかれば
この程度の調査はチョロい。
つぅーか、俺が単純に興味あった。
何で、あれほどの奴等が…って。」