sound village
『なるほど…なぁ…』
柏木が呟く。
「お前…いま、悪役張りの
悪ぃツラしただろう…」
何となくそんな気がする。
『嫌やなあ~勘繰りすぎ
ちゃうか?』
受話器の向こうで
クツクツ笑う声がする。
「お前は、俺の勘の
遥か上を行く野郎だよ……
うち(学校)の参加者は、
今週中に集計して連絡するよ。」
『故障してバスケ辞めた奴も
声かけたってくれや。
ゲームできんでも、行きたい奴
おるやろからなぁ。』
「そうだな。」
そうしよう。
あの頃、相当巧いプレイヤーが
多くいて、どこの学校も、
その辺の大学バスケなんて
目じゃないくらい強烈なゲームを
していた。
そんな中、故障して
ゲームに出れなくなった奴が
幾人も出た。
うちも同様だったーーーー
それでも、
二度とコートに立てないと
言われても
あの時間に、
総てをかけていた。