sound village

デスクに戻り、会議資料の
回収状況と完成具合を確認する。

部内会議の資料だから、
内容に不備さえなければ
そんなに肩肘はった出来映えで
なくても許される。

・・・私も、
たまにはサボっても
許されるハズだ・・・

ちょっと、いいことを
思い付いて、クフッ・・・っと、
笑ってしまいつつ
ヤボ用と午前中の会議のため
会議室へ急いだ。

その角を曲がれば、もう
到着だと言うところで
不意に感じた人の気配に
足を止める。

「なぁ、さっきの不気味な
ほくそ笑みは何やったんかなぁ?
レ~ンちゃん?」

突然、耳元を、吐息と
関西弁がかすめ、体が
ビクっとした。

思わず叫びかけた私の口を
彼は慌てて掌で塞ぎ、
すぐ近くの女子トイレの洗面所に
連れ込む。

「びっくりするじゃない!?
つか、貴様、こんなとこで
油売るとか余裕だなっ?!」

「デカイ声出すなや!」

困る1号に、ちょっと、
落ち着きを取り戻し
額をグーでぶってやる。

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