sound village
「それにしても…あの
コートの外にいた集団…
厳つかったな。」
ハンドルを握りながら
柏木が、ボソッと呟く。
ボリュームの絞られた
BGMが洋楽のバラードとか
勝手な印象だが笑わせる…
キサマには
演歌がお似合いだ。
「恐らく『エセ弁護士』の一団だ。
電話がかかっていたからな。」
「…ホワイトボードの
『法律事務所』て、アイツかいな。」
この眼ーーー
昼間の係長の眼と
…一緒だ。
「なんか企んどるな。レンちゃん。」
あのオッサン…と言って
柏木が言葉を飲み込んだ。
「何か、心当たりでもあるのか?」
半ば、何かある…と確信を
持って問えば
「ん?あのテルテル坊主…
手強いなあ…と、思てな…」
それだけ言って
再び、奴は口をつぐんだ。