sound village
背中で語る ** sideレン/
いつもの通勤電車の定位置
ドアにもたれ立ち
昨日もらった曲目リストを
改めて、再確認する。
…なんか…講師陣が
どんなやりとりしたか
様子が手に取る様にわかる
リストだな。
ここにも『樹里~♪』の
悪あがきの痕があるし。
この件について、昼休みに啓太と
しっかり討論せねば……等と
考えているだけで
ニヤリとしそうな頬を
必死でひきしめる。
しかしーーー
・・・今日は、なんだか
ちょっと混んでない?
なんか、いつもはない
人の壁が……
……なんか……
前に立ってる人
やたらデカくないかっ?!
ギョッとして顔をあげる。
「…おはようございます。」
「…あっ…。」
そこにいたのは、
朝の日射しを受け
眩しそうな表情をした
斐川君だった。