sound village
 
気になって、思わず
考え耽ってしまえば

「係長?」

目の前のイケメンは
不思議そうにしていて。

どう考えても身長差を
考えれば…彼らのカノジョって…

「斐川君のカノジョさんは
モデルさんなの?」

「はっ…?」

…あら…思い付くまま
聞いてしまったじゃない…

目の前の斐川君の
驚愕具合ときたら…

不甲斐ない上司で
申し訳ございません…

「今はーーー」

明らかに戸惑いながら
彼が口を開きかけて、
答えなくてもいいんだよって
私が言いかけた瞬間

電車に急ブレーキがかかって
斐川君の胸元に
とびこんでしまい
その腕に抱きとめられる。

シャツに口紅が着かないよう
咄嗟に顔を横に向けたけど

「すみません…
ファンデーションがついたかも…
しれません…」

不可抗力なんですと
体を離すべくもがいていると
肩に回された腕の力がこもる。


 
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