sound village
 
「大丈夫だからーーー

混んでるから、
おとなしくして…。」

髪に触れる
唇の感覚とーーー

思いもしなかった
彼の行動に……

たいして
混雑してもいない車内で

私は

身動きひとつできずに

その腕の力が緩むまで

ただ
ひたすら

うつむいていた。


 
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