M√5

「あいつも歓迎するだろ。な?」


そう私に聞いてきた将人。



「え、あ、あぁ、深樹斗?
 えぇ、きっと」


突然話を振られて、挙動不振になってしまった。



それを見て将人はイタズラっぽく笑って話しかけてきた。


「なんだ? 王女様に不満でも?
 ……お嬢様」


「んな……!?」



ぽんと置かれた頭の上の手に意識が集中する。


「ばかッ! そんな呼び方一つで不満なんか生まれるわけないでしょ!」


「なんだ、自分と比べられてヘコんでるのかと」


「軽く暴言吐かないでよッ!」


余裕に笑っている将人。


どきりとするくらい様になる。


辺りの笑い声が聞こえなくなるくらい。

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