M√5

「……もう」


わざとらしく不満を口にすることで、なんとか自分の意識を繋ぎ止める。



「よし、じゃあ今日から俺らはM√5だな!
 珠月、またアレ作っといてくれよ」


「……あぁ、アレね。了解、リーダー」


左手で拳を作って、顔の横まで持ち上げる。



「……さて将人、そろそろ。
 ごめんね芽奈、歓迎で何かやりたいんだけど、俺ら今日もう一個予定入ってて」


腕時計を見ながらちょっと焦った感じに言う倫生。


「え、予定があったんですか。
 それは申し訳ありませんでした、私が無理言ったせいで」


謝りだす芽奈の先生。



そうだよ……今日は、あの日だったんじゃ……。


それで早退したんだと私も深樹斗も思ってたのに……。

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