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「あなた、ずいぶん不器用な感じがしたから。
この先どうなるのか、気になってね」
「……え?」
少し、背中が冷たく感じた。
視界が少し暗くなった。
もしかしたら、何にも意味を持たない言葉なのかもしれないけれど、私の体は、異常なまでにその言葉に反応した。
まるで、肯定するかのように。
「さぁ、そろそろ最終下校のチャイムが鳴るわよ。学校出ましょ。
そうだ、そもそもなんであなた焼却炉なんかに?」
明るく、何かを取り払うような声。
そしてその内容に、う゛、と声を詰まらせることになった。
なんとか話をはぐらかして校門で別れたことしか覚えていない。