M√5

「あなた、ずいぶん不器用な感じがしたから。
 この先どうなるのか、気になってね」


「……え?」



少し、背中が冷たく感じた。


視界が少し暗くなった。



もしかしたら、何にも意味を持たない言葉なのかもしれないけれど、私の体は、異常なまでにその言葉に反応した。


まるで、肯定するかのように。




「さぁ、そろそろ最終下校のチャイムが鳴るわよ。学校出ましょ。
 そうだ、そもそもなんであなた焼却炉なんかに?」


明るく、何かを取り払うような声。


そしてその内容に、う゛、と声を詰まらせることになった。


なんとか話をはぐらかして校門で別れたことしか覚えていない。

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