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……でも私は……出来なかった。
あまりに胸の痛みがひどくて。
「……珠月?」
唯一リアクションをしない私を疑問に思って、声をかける将人。
でも痛みは増すばかりで、返事をすることすら出来ない。
苦しくて、呼吸が浅くなる。
「……おい珠月!! 大丈夫かお前!!」
ざわついてくる音楽室。
地震でも起きたみたいに、ぐらぐらと地面が揺れる。
ついに私はしゃがみ込んでしまった。
「珠月!!」
「え、どうしたの珠月!」
みんなの声が遠くで聞こえる。