M√5

「名前、なんだっけ? 苗字じゃなくて」


「み、珠月……」


なんでこの流れで、と思ったけれど、素直に答えた。



「みつき、だって! ぴったりじゃん!」


驚きながら、笑い合う二人。



え、ちょっと待って。


ぴったり、って何よ。



なんか、入るの決定みたいになってるけど。


私、まだやるなんて言ってない!!



……でも。


自分の鼓動が高鳴っていることに、気づいていないわけでもない。


むしろ、隠すのに必死になっている。


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