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「…………え……?」
口元が引きつって、喉が異常に乾く。
こんなふうに、体はすぐ反応するのに、思考回路がついていかない。
そのくせ冷静に、人間って不思議だな、なんてどうでもいいことを思ったりもしている。
「だから、もう別れようって」
大好きな彼の声と、その声が紡ぎ出す残虐な意味と、そして強い風が出す葉擦れの音だけを捉える私の耳。
「おーい珠月? 聞いてるか?」
……これはYesなのかNoなのか。
聞いてはいるけど聴いてはいない、ってのが答えかな。