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「それにしても、一ヶ月で2人も増えるなんてなぁ……」


嬉しそうに呟く倫生。


私も新入りなんだ、と視線で伝える。


すると深樹斗は安心したような笑顔を向けてきた。


……深樹斗とは、将人達とはまた違った仲になるかも。



「でも、3人の時より、バンドって感じはするよね。
 ……後から来た私が言うのはなんだけど」


「そうだな。練習もちょっと堂々と出来るかも」


いつも放課後、吹奏楽部と合唱部に頭を下げて第三音楽室で練習をしていた私たち。


でも、きちんとバンドとして有名になれば、もっと融通が効くかもしれない。



「ライブとかも、開けるといいよな。
 まだ、俺と将人二人で道で歌ったりとかしかしてないけど」


……あ、私が前見たやつだ。


私はまだ人前で歌ったことないけれど……どんな気分なのだろう。

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