M√5
「遅くなった!!!」
深樹斗が仲間になって、2ヶ月くらい経った、夏休み直前のとても暑い日。
もうそろそろ片付けようか、という時間になって、将人が第三音楽室に飛び込んで来た。
あまりにも突飛な登場に、私たち三人はドアの方を向いたまま固まってしまった。
「……将人、来たんだ。
あまりに遅いから、今日は部活に出たのかと思ったよ」
1番最初に起動したのは倫生だった。
その声を聞いて、私と深樹斗もハッとしたように動き出す。
「違う違う! 大ニュースがあんだよ!!」
いつもの気だるそうな笑顔……ではなくて、倫生の様に口角を上まで上げて笑顔をつくる将人。
あまりに珍しい彼の様子から、そのニュースの内容が気になった。
「な、何? どうしたの、将人」
そう尋ねた私の左腕にはもちろん、仲間の証がついている。