M√5
「これ!」
ドアの周りに集まっていた私たちを通り越し、部屋の真ん中のテーブルへ向かう。
バン、という大きな音と共に、一枚のプリントが机の上で叩かれるように指し示される。
将人が持っていたプリント。
「何それ? ……え?」
一番に近寄っていった倫生。
その倫生が、文面に目を通したとたん、固まってしまった。
そしてまた後を追うように私と深樹斗も覗き込む。
「「……は……?」」
そのプリントには、想像をはるかに超えたニュースが載っていた。
「7月28日土曜日、午後1時から。
市民文化会館にて、高校生バンド『M√4』のライブ!」
将人がそう読み上げる。
ら、ライブ……!?