M√5
「……はぁ」
革のスクールバッグをどさりと置いて、ソファにうつ伏せに倒れこむ。
学校帰りでこんなに疲れてるの、久しぶりかも。
特に『M√』に仲間入りしてからは、毎日が本当に楽しかったし。
そうしてバンドのことを考えると、すぐに出てきてしまうのは将人の顔。
次いで、倫生、深樹斗。
そしてそれがまたため息の原因となる。
……いったい私はどうしちゃったってんだろう。
もし仮にこれが恋心だとしても、前の紅映の時にはこんな気持ちにならなかった。
こんなにため息は出なかった。
だからきっと……恋ではないのだろう。
気持ちの整理がつかない。
私は将人を……どう思っている?