全ては君から始まった
ー「おつかれさまでしたー!」
3時間のバイトを終える。
「深澤さんお疲れ!」
「あっ、秦野さん!お疲れ様です!」
秦野凛太朗さん、スタバで働く先輩。
身長も高くて肌も白くて髪の毛は茶色で少し癖っ毛でくりんとしている。
典型的な"モテそう"なタイプ。
仕事もできるし内定も決まっていて大学も有名なJ大学。英語も話せるらしい。
「深澤さん、これから食事でもどう?おごるよ」
「あっ、すみません... 今日は先客が...」
「そっかー残念、じゃあまた今度ね!」
「はい、誘ってくださってありがとうございます!」
うわー、秦野さんからのせっかくのお誘いがあああ... 悔しすぎる...
でも先に風間と約束しちゃったからしょうがない。向かわなければ。
田園都市線に乗り約10分
渋谷駅につく。
どこに行けばいいんだろう?
やっぱりハチ公前かな。
ハチ公前に向かうと案の定、彼はいた。
細めの身体、さらさらな髪の毛、iPhoneをいじる時のあの姿勢...
「風間!久しぶり!」
「オス。久しぶり」
平静を装って笑いを隠す表情。
私も少し嬉しくなる
「元気にしてた?いつぶりだろうね会うの!」
「うーん最後に会ったのが大学に入ってからちょっしてだもんな。てかお前と酒呑んだことないよな」
「そうだよね!やっと念願の夢が叶うよー」
そんなことを話しながら向かった先はお好み焼き屋さん。思い出の場所でもある。
「何頼むー?とりあえず適当に頼んでいいよね!お腹空いちゃった!」
「相変わらず食い意地はってんなー。なんでもいいよ」
「うーんとね、じゃあ、すみませーーん!明太子チーズもちもんじゃとチヂミ風お好み焼きくださいっ」
私の大好きな2品!
どっちも最高に美味しい。
「いやぁ、本当に久しぶり!大学どう?やっぱり理系大変?」
風間は某有名私立W大学に通っている。
高校がW大附属でそのままの持ち上がり。いわゆる内進生。
「やべえよ。外からの人たちとの差が半端ない。でもとりあえず単位はとってるよ。そっちはどう?」
「うん。友達はできたよ。何とかやってる!」
「そっか...」
"お待たせしましたー"
料理が運ばれてきた。
「うーわ超おいしそう!私焼くから!ww」
「はいはいお願いします」