0時のシンデレラ

それは佐藤敦(サトウアツシ)だった。

「…敦」

「んー、どした?
凛音がサボるなんて珍しーじゃん」

敦はふっと笑った。

敦は凛音の幼なじみである。
幼稚園の頃からずっと一緒だ。

「今日嫌なことあってさ」

「ほー…」

敦はいつも私の話を聞いてくれる。
ほんとにありがたいし、感謝してる。

「実は…」

凛音は淳にさっきの出来事を話した。

「へー、そんなことがあったんだ」

敦は表情を変えずに言った。

「恋なんか、始まっても何もならないのに」

「そーかな?
俺、恋してるけど、そう思わないよ」

「えっ敦、恋してんの?
意外………」

「そりゃ俺も人間だもん」

「んじゃ私は人間じゃないってこと?」

「そんなこと、誰も言ってないだろ」

凛音と敦は笑い合った。
そんな会話が続く。

そんな2人の様子を、礼音が聞いていた。

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