0時のシンデレラ
だんだん薄暗くなって来た頃、
ようやく萌葉が口を開いた。
「…私ね」
「………うん」
「…淳のことが好きなんだ」
凛音はびっくりして、
萌葉の方に顔を向けた。
「淳は分かりやすいから、
淳が凛音のこと
好きだってことくらい、知ってた」
「…萌葉…、ごめんなさい…」
「何で凛音が謝るの?
何もしてないんだから、
謝ることないじゃん!」
萌葉は凛音の肩に手をおいた。
「…淳は好きな人がいるから、
何度も諦めようと思った。
でも諦めらんないんだよねー」
萌葉は笑いながら泣いた。
…そう、泣いていたのだ。
「…萌葉」