0時のシンデレラ
「…うーん……」
萌葉が腕を組みながらうなった。
今日は休日だ。
「分かんない、分かんないの。
自分の気持ちが…
タカが好きなはずなのに、
アイツに引かれてる…」
「でもさ、恋ってそういうものだよ?」
「私、こんな気持ち嫌だ。
はっきりさせたいの。
こんなの、気持ち悪いよ…」
凛音は頭を抱えた。
「凛音。大丈夫。
きっと凛音の気持ちは今、
迷子になってるんだよ。
必死にゴールを探してるの」
「…ゴール?」
「そ!
好きなのはどっちなのか、
きっと迷ってて、迷子になってるんだよ。
だから…凛音は
自分の気持ちに素直に従えばいいだけ!」
萌葉はウインクした。
凛音はしばらく下を向いていたが、
やがて萌葉の方を向いて、
強くうなずいた。
「よし!
今日はせっかくの休日だから
いっぱい話そ!」
「うん!
ありがとう、萌葉」
「いいってことよ!」
萌葉は凛音に向かって、
はじけるような笑顔でピースをした。
萌葉…、ほんとにありがとう。
自分の恋で辛いはずなのに…
私、敦との恋、応援してるからね。