0時のシンデレラ
敦に手を握られた萌葉は
一気に顔が真っ赤になった。
「えっ…ちょ、冗談はやめてよ、もー…」
「冗談じゃねぇ。
分かってんだろ、俺の気持ちが」
「そ、そんなの分かんないよ!
凛音のこと好きだったんじゃないの!?」
「あぁ、確かに凛音のことが好きだったよ。
でも過去形だから」
「…意味分かんない…」
萌葉はだんだん泣きそうになってきた。
そしてその顔を見られまいと、
うつむいていた。