0時のシンデレラ

「でもある日、急に
話しかけて来なくなったじゃん。
初めは気にしなかったんだけど、
だんだん萌葉のことが気になり始めてさ」

「…うん」

「だからオリ合宿のグループ、
一緒だって分かったとき、
俺、机の下でガッツポーズしたんだ、
それくらい嬉しかった」

「…それって、
凛音と一緒だったからじゃないの?」

ようやく萌葉が「うん」以外の
言葉を口にした。

「いや萌葉と一緒だったから。
そうじゃなきゃ、オリ合宿んとき、
あんなに話しかけてないだろ」

「…そっか」

「今日も礼音のためじゃなくて、
萌葉が礼音んとこ行くから…」

「…から?」

萌葉は聞き返した。

「…萌葉は礼音のことが
好きなのかと思った」

「…だったらどうする?」

萌葉は顔を上げ、敦に聞いた。
すると敦は言った。

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