好きになった人は…双子の兄でした。【完結】
育と仁美&和也※この章のみ育目線、和也目線になります。
俺は仁美を追いかけていた…



「仁美!待てよ!」



後ろ姿を見て泣いているんだと解った。



「仁美…!!」



俺の呼ぶ声で仁美は走るのを止め、力なく座り込んだ。



『…エッエッ…ヒック…』



仁美は顔をぐちゃぐちゃにして泣いていた…



俺はしゃがみ込み、仁美の頭を撫でる。



「…仁美……泣くなよ…」


『エッエッ…ごめんなさい…育…』



「俺こそ…ごめん……でも俺…『言わないで!』



仁美が俺の言葉を遮る…



『嫌いにならないで…お願い……お願いっ……』



仁美は俺の胸に飛び込んでしがみついた…



「…ならないよ…嫌いになんかならない…」



『…本当?嫌いにならない…?育…本当?ね…本当?』


仁美は真剣な目付きで俺を見つめていた。



「あぁ…本当だ…」
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