好きになった人は…双子の兄でした。【完結】
『……ん…育…ありがとう…』



俺と仁美の唇が離れ、
仁美が鼻声で言う。



『ヘヘ…少し照れるね//』



仁美が照れ臭そうに笑う。


俺も微笑み返す…



だが……



何かが違う……?



何か…解らないけどモヤモヤが取れない…



―――その時、後ろから声が聞こえた。



『お前…仁美を泣かすなよ。』



和也だ…。



「……いたのか」



仁美もびっくりしている。


和也がポケットに両手を突っ込んでブラブラとこっちに向かって来た。



「本当……お前らは…見てるこっちがヒヤヒヤするぜ…」



仁美が立ち上がる。



『和也…ありがとう…ごめんね…』



『大丈夫か?仁美…』



『うん…大丈夫。』



仁美は赤くなった鼻をすすりながら笑った。

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