好きになった人は…双子の兄でした。【完結】
その場に取り残された私達…



和也君が痛々しい顔をしながら起き上がる。



『…どけよ!触んなっ!』



私の手を振り払った…




『由奈………由奈が全部悪いんだよ…こうなったのも全部…あんたのせい…』



仁美が泣きながら話す。



『あんたさえ……あんたさえ…居なかったら………ぇてよ…消えてよっ!私達の目の前から消えてよ……っ!』



私は……ショックで何も言えない……




『仁美……………』




やっと振り絞って出した声は蚊が鳴く程度だった…




『和也……行こ……』




そう言って、和也君の腕を自分の肩に回す仁美…




二人の後ろ姿を見ながら…


全て…



私が壊したんだ…と



実感せざるを得なかった。


私が育も仁美も和也君も…


全て壊してしまったんだ……
< 146 / 408 >

この作品をシェア

pagetop