好きになった人は…双子の兄でした。【完結】
仁美は私から目を反らし、育を抱えるかの様に歩いて行く…



『気分でも悪くなった…?私が居るから大丈夫よ…育…』



そう話しながら…



育は情けない子供の様に…


フラフラと仁美に寄り掛かっていた…



私はただ…




二人を黙って見つめる事しか出来なかった…





私の周りがザワザワとなって…




『ちょ…っ…今のって…やっぱり噂は本当だったんだ!』




『兄弟愛?』



『三角関係だよっ』





『昼ドラ見たい~!』





皆、好き勝手に話しをしている…





私は、何も言えなくて…
唇を噛み締め、
ただ、そこに立ちすくむ事しか出来なかった…。

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