好きになった人は…双子の兄でした。【完結】
『…ちょっ!あんたたち!見せ物じゃないんだよっ!』




大きな声が聞こえて来て…



佳代は衣装もそのままで、私の元へ走り寄って来た…




『…由奈…!由奈っ』





愕然とする私の肩を激しく揺さぶる…





『由奈、しっかりしなっ!』




私は佳代の顔を見た途端に、緊張の糸が切れたのか…




再び激しく涙がこぼれ落ちる…




『…っ…佳代っ…うっ…』




佳代は私の頭を優しく撫でてくれた…





『……お前ら…仕事に戻れや』





佳代は鋭く睨み付けながら周りの者に言う…





私は…





息も出来ない程、締め付けられている心境の中で、佳代の優しさに包まれて…





私の涙は止めようと思っても、止める事なんて出来なかった…
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